夏の日を 荒んで帰る 歩道橋

夏というのは怖い。
ただ外にいるだけで、
ただいつもの道を行くだけで、
心が荒ぶ。
恨み言を言いたくなる。
自分の負の部分が露見する。
ただ暑いというだけで。

さらに悪いことに、
それは尾を引く。
日が暮れて、
多少涼しい風が吹いても、
昼間の疲れを引きずって、
足取りが重い。
空気が重いのも手伝って。

これほど暑かっただろうか。
危機を覚えるほどに?

夏が来るたびに、徐々に心が重くなる。
この夏を越せるだろうか。
それほどこの星は傷ついているのだろうか。