人ごみの 冷たさたるや クリスマス

全ての約束事や、
語り合った未来、
言葉の奥底で抱いていた期待が、
この時期になって身に染みる。

できれば命尽きるまで、
一緒にいたかった。

あまりに心の芯に近いところでそう思っていたから、
体中に祈りのようにしみこんでいて、
いまだに外れ落ちてくれない。

街にあふれる恋人たちを見るたびに、
その固く繫がれた手を目にするたびに、
もう二度と恋はできないと感じる。

だって、誰かに愛を告げられるたび、
あなたの声がよみがえる。
抱きしめられたら、
あなたの熱さを思い出す。
そのたびに、いちばん欲しいのはあなただと、
絶望的に思い知らされる。

クリスマスなんかなければいいのに。
幸せな恋人の数が多すぎるから。