だらり夏 人気も消ゆる 昼下がり

いつもは賑わっている店も、
急に気温の上がった昼下がり、
まるで映画セットのように誰もいない。
椅子もテーブルも無機質だったと、
今さらながらに気付かされる。

あのときあなたと座った席も、
そのことを忘れているような無情さで、
まるで過去などなかったかのように、
のっぺりとしてよそよそしい。
私はいたたまれずに席を立ち、
店内はまた無人になった。