十六夜 弧描く円の 儚さよ

十五夜、満月は、
哀しいものだと思う。
頂点を待って、待って、待って、
訪れるのは一瞬だけ。

喜びの、頂点は一度だけしか訪れないのか、
そんなことを満月の次の日に思う。
一瞬の交わりを、
いくら大事なものだと思っていても、
そこに切なさや哀しさがないわけではない。

ものごとが完璧であるということは、
それは同時に儚いものだと思う。
それ以上はないのだから。
いつそれ以下に堕ちるか、
それを不安に思っていなければならないのだから。