雷光や 長夜揺るがす 爪の音

夜の雷が怖い。
空の濃淡も見えないのに、
光と音が闇を切り裂く。
まるで心まで引っ掻き壊す、
鋭い爪のよう。

雷の後の朝も嫌。
青のきらめく空なら、
まるで昨晩などなかったように知らん顔。
曇で覆われていたら、
真中で揺れる陽はまるで残り火みたい。
どちらにしても白々しくて、
思わず顔をそむけてしまう。

雷なんか、なければいい。
そういったって、自然現象。
どこまで逆らえるか、
逆らうことなど、考えない方がいいのか。