水の音も 紅に染まらん 午後の過ぐ

季節のいい時期なんて、最近の日本には本の少ししかない。
本の少し先にとせまった寒い寒い冬を怖れつつも、
今日を楽しむために、二人で散歩。
ちょっと並んで有名店のハンバーガーを食べて、
それから、近くの公園へ。

堂々たる門構えの日本家屋の縁側で、座布団を三つ重ねて、
人の手が作った庭の小川を眺めながら、
何を話すでもなく、だからといって無言でもなく、
じっと、この時に浸る。
風の一筋、水音のひとつ、この瞬間を全て感じていたいとばかりに、
指先だけ絡めて、目を閉じて。