吹きぬくは すすきの風や 襟合わせ

寒くなった。
夜の帳がおり始めれば、
空気に涼しさを感じる。
少しばかりよそよそしくて、
少しばかり肌に冷たく当たる。
むき出しだった首元に風が吹き抜けて、
私は急いで襟を合わせた。
そして、どこかにいるあなたに向かって、
側にいてと呟いた。

風が吹いていく。
きっとあなたに届く。