来る日に 涙ひとりの 春惜しむ

思い出の場所は、
いくつもあるけれど、
ここは特別。
悲しいときにしか来ない。
切ないときにしか来ない。
苦しいときにしか来ない。

どうして、私はひとりなのだろう。
引き留めたいと思っても、
ときは過ぎ行く。
ぐっと我慢をしても、
涙は落ちる。

耐えるって、こういうことなんだ。
あれより悲しいことはないし、
あの日よりつらいときなど、
あれまでも、それからも、ない。
耐えるというのは、
忘れることではなくて、
意識の下に押し込めることなのだと思う。