ふと見れば 梅雨の曇りや ガラス越し

バスは、なんだかときめく。
都会なら電車や地下鉄のほうが、
目的地には早く着くだろうけれど、
あなたのところまでどうやってたどり着くのか、
バスならその道のりも心に留められる。

バスは、思い出に残る。
地上を走るなら電車や鉄道も同じだけれど、
移り変わる車窓、
乗っては降りる人々、
そればかり見ているというほどではないとしても、
肌の表面で、
それに伴う移り変わりを感じている。

急ぎ過ぎなのだ。
誰も彼も、都会では。
命が何か、今が何か、
それどころか、自分が何かなど、
考える余裕も与えてくれない。

一度考え始めたら、
命題を解いてこそ人生、
そうして生きていかねばと思うのに。

( 先生。
 私どうやら今現在、
 そういうステージのようです。
 バスの話だったはずなのに、
 おかしいなぁ)