時経てど どの葉も落ちぬ 箱の中

過去というものがあって、
今というものがあって、
未来というものがやってくる。

見つめているのはガラスケースの中の人形で、
昨日も今日も明日も同じ姿勢で止まっているのに、
この人たちにどういう時間が流れていたのか、
あの時代をどう生きたのか、
そんなことを考えてみた。

大枠の歴史ではなくて、
あの人力車に乗っている人は、
これから誰とどういう話をしたいと思って、
前を向いているのかな、とか、
杖をついて歩いている人は、
何があってひとりでいるのかな、とか、
要するに、日常。

毎日の積み重ねの上に時間の流れはある。
あなたと私は、それを時々交わしながら、
各々の人生を生きていて、
それが全部合わさって、人の歴史になるのかなぁ。