冬空に 知らぬ存ぜぬ 突き通し

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何かを期待するほどに、
何かを失って、
表面上だけの笑顔になって、
哀しいことも、
嬉しいことも、
隠して生きていく。

人ならば、
社会の中で生きる人ならば、
ある程度は己を隠して生きていかなければならないもの。
立場や状況を考えれば、
相手を気心しれた人だと思っていても、
笑顔も見せず、
涙も見せず、
取り繕うことを覚えていかねばならないもの。

幾年か生きてきて、そう学んだはずなのに、
うまくいかないなぁ。
立ち止まって悩んで、
歩き出してはまた止まって。
そうやって悩んでいることも人に見せずに、
取り繕っている。

そんなことを考えるなど、甘いのだろう。
人は誰しも我慢して、
心を完全に露わにすることはなく生きている。
人を気遣って生きている。
そのことに尊さを感じなければ、
きっと生きていることなど掴めないのだろう。

そのはずだから。
だから。