古の 姿映して 春の宵

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涙が出るほど尊いものに、
出会ったことがあるだろうか。
春先の、あの夕べの、
細い目の光に映っていた。

激しく慟哭することを、
経験したことがあるだろうか。
一筋空から降りる、
その光に救われたいと、
祈りながら道を行くような夜に。

いつだって、
これほど激しく何かを想うのは、
君のことばかり。
隠れて涙を流す、
こんなときばかり。