チゲ鍋や 舌のやけどの さも甘し

一人のお昼は、大抵チゲ鍋。
あなたと韓国料理屋さんに入って以来、
冬はここに来るの。
運ばれてきたときには煮立っていて、
そのまま口に入れたら舌をやけどする。

健康にはどうかと思うけれど、
汁物は熱いのが好き。
温度は構わずスプーンですくう。
普通の鍋なら、数口でさめちゃうものなんだけど、
さすが石鍋。
しばらく経っても熱いまま、
しばらく経って下の方を掬っても、まだやけどしそう。

ずっと熱いままっていいなと思う。
そりゃ、いつかは冷めちゃうんだろうけど、
そのいつかがずっと先。
だから安心もできるし、楽しめる。

恋も、そうあって欲しいと思う。
だって、ブンガクや詩やなんやかやには、
いつかは冷めるものって 書いてる。
尊い先人の意見を無視するわけじゃないけど、
いつか冷めるなら、
ずーっとずーっとずーっと後。
私の命が果てるより、ずっと後に。