八朔の 空の合間に 何の降る

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ひとりで歩く。
哀しいのではなくて、
寂しいのでもなくて、
あなたがいないことを、
身にしみて感じているのでもなくて。

水の音が聞こえる。
ただフラットに、
つらくもなく、
嬉しくもなく、
凪いでいるのに、
果てしなく流れている。

息を吸い込む。
橋から、身を投げ出すようにして、
川をのぞく。
静かな水面に木々の影が映る。
空も、鳥も、
水面に映る。
近付いて手を差し入れたら、
すくい取れそう。

でも、そんなことができるわけがなくて。
だから、ひとりで歩く。
手に入りそうなのに、
絶対に手に入らない。
けれど遠くにも行かないものばかり、
今日は感じている。