子どもの頃、よく同じことで嫌がられた。
分かっていても直せなくて、
怒られたりもしたし、
卑屈になったりもした。
大人になった今、その部分は変わったのだろうか。
真実を聞かれたら、きっとイエスとはいえない。
むしろ、あの頃と同じまま。
ただ、隠すのがうまくなった。
とけ込ませて、目立たなくして、
目を反らさせることがうまくなった。
だから今は誰も気付かない。
表面を繕って、それらしい笑顔を浮かべて、
いちばん知られない部分を隠している。
人が年月を経ていくということは、
そうして、自分の悪目を守ったり、
ごまかしたりすることが上手になるということなのかもしれない。