泣き濡れど 赤蜻蛉の 行く先は

欲しかった。
そばにいたかった。
愛しているといって、
いわれて、
抱き合っていたかった。

幸せにあぐらをかいているつもりはなかった。
わがままを言えばすり抜けてしまいそうだと、
肌でそう感じていた。
だから、そのときその時を大切にした。
そのはずなのに。

私の思いは途切れない。
そのことには自信があった。
だからこそ怖かった。
だからこそ、努力した。

だからこそ、どこかで知っていた。
この日が来ることを。