ひとつぶの 幸せに似た 枝垂れ梅

目を閉じて味わいたいものがある。
最後の最後の余韻まで、
感じ尽くしたいもの。
解けてなくなった後でも、
思い出しては浸れるもの。

そういうものは、数多くない。
いつかの折に贈ったチョコレート。
お土産だと買ってきてくれたお菓子。
長時間煮込まれた角煮とか、
あなたのキスとか。 

(でも、特別なものにはしたくない。
 もちろん、特別は特別なんだけど、
 一年に一回だけのバレンタイン的なものだったら、
 うーん、耐えられない…)