北風に 千切れ散らばる 吐息かな

冬の空は、無常なほどに青い。
他の季節なら希望の代名詞ともなる青い空は、
その最も冴え渡る冬、最も希望からかけ離れている。
何人も寄せ付けぬような美しさは、
あざ笑うかのように、ただ遠い。

大寒のころの冬は「底」という言葉が合う。
真夏ならば「てっぺん」だろうか。
物事の端というのは、いつでも厳しいものなのだ。
そんなことを思いながら、冬の過ぎるのをじっと待っている。