薄桃や 春より早く 長く咲け

襟もとから入りこんでくる風に震えてたら、
自分のマフラーを取って私に巻いてくれたね。
そういう優しいこと、はじめのうちだけだって思ってた。
二人でいるのが日常になったら、
きっと気を使ってはもらえないって。

だけど、もうずいぶん経つのにずっとやさしいね。
疑ってたのは、私のほうだった。
あなたのこと信じてなかったのは、私なんだね。
そう気付き始めてから、少しずつ少しずつ、
あなたの側に寄ってきた。
そうしたら、だんだん心に花が咲いたみたいになったよ。

もう大丈夫だね。