鰯雲 流れる先の 千切れ散る

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人は最初は同じ場所から始まる。
幼なじみってそんなもの。
同じ幼稚園、同じ小学校。
どれだけバカなことをやったか知っている。
どれだけ同じことで笑ったか、
身に沁みている。

明日も一緒に遊ぶことを疑っていなかった。
夕焼けに染まる雲は、
明日への約束でしかなかったのに。

いまやあの頃の誰もが違う所にいる。
毎日をあれほど近い位置で分かち合うことなど、
もう誰ともないかもしれない。

それでも、同じ空の下にいると、
そう信じてもいいだろうか。
例えば、年に一度会う飲み会の、
最後に交わす笑顔が同じならば。

そんなことを、
四方八方に散る鰯雲の先で思う。