雁渡し 見わたす限り 空の果て

秋の海を見に行くなら、ひとりがいい。
だれもいない海がいい。
音のないところでひとり、佇んで海を見つめたい。

行けば水平線だけに目を馳せる。
視界の真只中を横切る線
海と空が別れるところは、本当はどこにあるんだろう。
向こうから見たら、ここもそうだろうか。

皆生きているのは、空と海のはざま。
私も、あなたも。

帰る場所があるなら、
ひとり秋の海も悪くない。