寒明り 涙零るる 空の隅

目を細めて、空を見上げる。
光の筋が風になって、
皮膚の隅々から私に染みてくる。

どうして、どこを見てもあなたばかり思い浮かべるのだろう。
どうして、どこを見てもあなたはいないのだろう。

本当に風になれたらいいのに。
すぐにでもそばにいけるから。
でもこの身は地についたまま、
空を見上げたままでいる。