思ひ出の 思い出したる 初夏の夜

ついこの間のことだというのに、
もうさびしい。
もう会いたい。
耐えられない。

写真を取り出しては、
ため息だけついている。
視線にすら温かみを感じていたのに、
紙一枚は、こんなに冷たい。

あれは、本当にあったことだっけ。

ああ、愛しいって、なんて心細いんだろう。