曇る空 膨らむ花の 救いたり

あの花が咲いたら。
そう幾度も自分に言い聞かせた。
横殴りの風の日も、
音もなく降る雪の日も、
道路わきの木を見上げては励ました。

つぼみが膨らみ、
少しずつほころびだしてきた花びらが、
陽の光を反射して、あたりを白く染める。

必ず朝が来るように、
待っていたら春は来た。
そして、私は知っている。
あなたが来ることを。
だってほら、花が風に揺れている。