初夏の夜の 想い儚し 夢白し

夏の初めにこんなに物悲しいなんて。
あなたの残していったものが、
恨みを帯びて光るみたい。
どうして、話ができなかったのだろう。
言いたいことも聞きたいこともたくさんあったのに。

あなたのことを考えるのは、
いつだって夜になってから。
闇に白く光るものを目にする度、
苦しくなって胸を押さえる。
あれは、ここに留まるあなたの気持ちなのか、
それとも薄れない心が生む私の幻なのか。