うつむきに 何を秘めたり 冬木立

ふたりでいるのに、何にも言わない。
きっと何も伝わってない。
きっとこれっぽっちも伝えられてない。
それでもいいよね、って今思ってる。

枯れた森の中、響くのは足音二人分。
それなのに、分かりあえてない。
分かりあおうともしない。
それでも好き、が正しい時もある。

つないだ手だけがつながっている。
こころの重なりは半分だけ。
ひとりでもないし、
ふたりでもない。
ちょうど境目にいるくらい。

少し近づいたり、少し離れたり。
でも離れすぎないし、
いちばん側にい続けるのでもない。
そうやって調整しながら、
カンケイって築いていくんだね。