大根の 空の高みも 知らずして

たまの休みに日帰り旅行。
電車とバスを乗り継いで、
あたりは収穫前の大根畑。
日ごろ見慣れたビル群も、
今は遠い彼方だね。
その分とても空が高い。

だけど僕らはいつだって、
地に這いつくばって生きている。
そんなことをいいながら、
あなたはバスの窓から外を眺めていた。

その心には、何が映っているのだろう。
同じ景色を見ているはずなのに。
どこかに飛んで行ってしまわないでと、
怖くなってそっと袖のあたりを掴んだ。