自らの 微笑みさえも 冬の末

すごく哀しいことがあった。
背を向けているはずなのに、
すぐそこにあることがいつだって分かっている。
直接見てはいないのに、
視界の端にはいつもあって、なによりも意識している。
そんな自分に気付く度に、
痛む胸や熱くなる瞼を押さえる。

春は来るのだろうか。
この世に絶対のものなんて、ない。