午後過ぎの 逸り抑えて 桜餅

少しずつ春の訪れがあらわになる。
例えばさくらの枝のさきが丸くなっていくこと。
そのなかに命を育てているのだと感じる。

少しずつ光が柔らかくなっている。
例えば冷たい風をなだめるように陽が暖かいこと。
もうすぐ何かが溶けるのだと知らせている。

さあ、もうすぐ。
その前に、少しだけ春気分。
おいしさを、ひとくち。

(とはいえ、やっと春がきた、と思ったら、  
 すぐに夏になる近年。  
 とはいえ、こう寒いと、苦しいほど暑い方がマシ、と思ってしまいます)