夜桜の 夢浮かぶなり 白い影

夜の桜は、恨みに似ている。
帳の暗みに負けじと、
その白さを増す。
美しさは、恐ろしさに通ずるものなのだ。
たった幾日かの命なのだから、
目をそらしてくれるなと、
恨みをこめて浮かび上がる。

夜の桜は、私に似ている。
もうあなたの夢に潜り込むしかない私は、
その夜をどのくらい、 陥れているだろうか。