喧噪も 桜染めたる 最後の日

ゆっくり息をすることを忘れていたと、
あなたはいった。
3月のいちばん最後の日。
何かの一区切りは誰にでもあって、
物事の終わりというのはたいてい忙しいものだから、
息もつけていなかったことを、
自分でも忘れていたのだと。

空は青く、木々は花をつけ、
自然はそれぞれのペースで時を越していく。
人間だって自然の一部なのに、
身を削るように日々を過ごして、
そのことにすら気づかない。

それって、生きてることに気づかないことと 同じかもね。

私たち二人は、ゆっくり、ゆっくり来て、
ゆっくり、ゆっくり行くんだよね。