幼葉の 時呼び覚ます 白昼夢

時折、帰りたいとつぶやく。
あの公園の、あのブランコ。
夕暮れまで乗っては、 笑いあっていた。

時折、哀しくなる。
あのブランコから見た、あの空。
青から茜へ、そして紺へ。
そして空が美しいということを、
私は初めて知った。

帰りたい。
あの場所に帰ったら、
きっと哀しさはいやされる。
そうしたら、どんなに楽になるだろう。

そう思ってあの場所に足を運ぶ。
あのブランコに乗る。
そうしてみて、気が付いた。
帰りたいのは、
あの時のあの場所の、あの自分。
ここに帰ってきたって、
今の自分が自分なら、
何も変わりはしないのに。