朝より昼。
昼より夕暮れ。
いや、きっともっと変化は早い。
一時間ごとにくらいで花が開き、
世の中を薄紅色に染めて行く。
桜は固く決意をしたとでもいうように、
まるで我先にというほど姿を変えて行く。
だけど、それほど決意に満ちた人など、
どのくらいいるのだろう。
自信を持って、次はこれだと、
確信を抱くことができている人が。
誰にも選択を強いられるときがくるが、
その時に間違いのないものを選びたい。
選ぶことで示唆される未来が見えたらいいのに。
未来は未知数だから面白いなんて思っている人は、
本当はどのくらいいるのだろう。
ふと手にした桜の花を、祈りを込めて握りしめた。