かの舞の 所作のいとしや 五月晴れ

手の返し方。
視線の伏せ方。
扇子の扱い方。
滔々と流れる音楽もあって、
どの人も見入っている。
たまたま居合わせた私も、
息をのんでいる。

昨晩、ちょっとけんかした。
一応の仲直りはしてるけど、
わだかまりみたいなのがない訳じゃない。
誰を相手にしているのか。
きっと舞の物語の中にはちゃんとそれがあるのだろうけれど、
残念ながら、知識不足。
でも、その心にある感情が切なさだということはわかる。

追い求めても、
手に入れたと思っても、
全部が完全に私のものになったことない。

恋は、切ないものなんだ。
あの時代も。今も。