寒ささえ 吸い込んでゆく 光帯

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いつから、東京は冬のイルミネーションが当たり前になったのだろう。
クリスマスが過ぎても、
まるで、夜が明るくなければ寒さが倍増されるとでもいうように、
あるいは冬の虚しさが強調されるとでもいうように、
冬の街は派手に飾り付けられている。

ハレの日とケの日が曖昧になったのは、
いつ頃からだろう。
ハレの日は確かに今もある。
特別なイベント、
特別な飾り付け、
特別な人を呼んで、特別に祝う。

その昔、ケの日はどんなものだったのだろう。
「日常」。
その言葉が一番当てはまる日々だったはず。
毎日のイルミネーション。
街中のどこかで行われるパフォーマンス。

ふと気づいてみれば、
それらはいずれも「日常」になっていて、
私たちは、
ハレの日に向けて、
昔ほどワクワクしなくなっている。

毎日楽しいことと、
時折ご褒美がもらえることと、
どちらが心にしっくりくるのだろう?