五月路や 踏んで潰すか 想い花


花を捨てた。
めいいっぱい開いた全開の花。
不必要だったから。
そうしたら、あなたのことを思い出した。

愛されたかったのに。
それだけだったのに。
そんなにむずかしいことだったの? 
何度も思い返して、 
何度も後悔する。

あの時、あんなに心が通ったと感じたのに。
きれいだと言ってくれたのに。
手放せてしまうほど、
大したことのないものだったの。

かわいそうよね。 私も、この花も。