どれほどの 根をからませて 初夏の風

何気ない風景の、
どこにでもあなたはいる。
目を閉じるだけで、
声が聞こえる。
肌の温かさを感じる。
胸の奥に愛しさを感じる。

あなた自身はいないのに。

会えない時間が、
あなたへの愛しさを育てる。
寂しさが愛を育むなんて、
 あなたに向ける微笑みの裏側に、
恨みを隠し続けることと似ている。