白肌の 光を避けて 夏帽子

遠い旅の思い出を聞いた。
どこまでも裸の大地と、
雲の少ない空の下。
いかに陽が照っていたか、
道のりが遠かったか。

私はうんうんうなづいていたけれど、
本当に聞きたかったのは、
写真でわかる景色のことじゃなかった。
この風景を見て、
あなたが何を考えたのか、
心の中を聞きたかったのに。

真実は、帽子のつばに隠れて見えない。
もしかして、自分自身でも、
見えていないことすら、気づいていないのかもしれない。