万緑や 騒ぐ声さえ 構わずに

祭りの夜に出会った。
人いきれと、
遠くからの視線の交わし合いと、
 密やかなささやきのあとで、
あなたを知った。

お囃子の中で出会った。
下腹に響く太鼓の音に、
あなたの声は聞こえなかったけれど、
それでも何をいわんとしているかは伝わった。 

夏の祭りは、期待が違う。
心を許そうとする、
その速度が違う。