風鈴や 夏の合間を 通り抜け

夏ですね、とあなたはいった。
縁側の、涼しげなガラスの風鈴のそばで。

えっ、と私は返した。
風鈴の音にかき消されて、なんていいわけをいって。

声を聞いていたい。
夏を癒す音を。

でもそれも、風次第。
風が吹かなければ、
あなたは鳴らないし、
どんな風が吹くかで音が変わるのだから。