夏の陽の 透き通りたり 白拍子

一目ぼれだった。

最初は、その横顔にひかれた。
窓から差し込む陽のひかりに染まる横顔の、
どこか退廃的で、
けれども凛とした線を持つ、
その横顔に。

最後まで声は聞かなかった。
一言ももらさず固く引き結んだ唇の、
まなざしと合わせて真剣さを醸す、
それだけがあなたのすべてだった。

人は、人の何に惹かれるのだろう。

一言で、
いや、二言でも三言でも、
簡単に説明できることなどないと思う。
むしろ、説明のできうることなどあるのだろうか。
あなたのどこに心ひかれたのか、
一言でなど、
いや、二言や三言でも、
とても伝えきれない。

それなのに、一言で言える。
愛している。