耳奥で 恋の風鳴る 長月夜

秋が来た。
あなたのそばに寄りたい秋が来た。

知ってる?
もうずいぶん長くあなたに焦れている。
その頬に触れたい、
その耳に愛の言葉をささやきたいと、
ひとりになる度に、
あなたの姿を思い浮かべては夢想している。

秋が来た。
夜の長い秋が来た。

気付いてる?
もうずいぶん長くあなたのことばかり考えている。
時々会えるその時間の隙間に、
言葉を交わしてみたり、
腕や背中に触れてみたり、
愛を告げる勇気はでないけれど、
少しでも伝わればと手を伸ばしている。

何とかの秋に当てはまるのは、とたずねられたら、
今の私は恋と答える。