知らぬなら 颱風後の 澄み方の

争いごとの後は、
大抵物事がきれいに片付く。
空気も洗われて、
遠くまで見渡せる。

たくさん泣いたあとは、
大抵気分が良くなる。
わだかまりも薄くなって、
あなたのこともわたしのことも、
よく見渡せる。 

それでも、その瞬間は苦しくて、
命からがら逃げ出すような、
そんな気分になる。

本当は、最初っからきれいにしておけばいい。
整然と、整地された道を行くのなら、
嵐の後に、すっきりしたなんて、
そんな感想を抱くわけがないのに、
全てを割り切って汲み分けていくなど、
人間なんかにできるわけがない。