若樽の 香りや残し 夏の行く

夏が終わらない。
夏「は」終わらないのではなく、
夏「が」終わらない。
暦の上では、なんて言葉が、
むなしく響くような。

暑い、という言葉を何度口にして、
毎日毎日過ぎる。
真冬と真夏だけは、
息を潜ませて、ただ過ぎるのを待つ。

夏の香りはいつまで残るだろう。
天気予報を見ては、ため息をつく。