遠い空 赤い尾返し 長陽行く

秋が更けてゆく。
落ちる前の紅葉の葉の、
その美しさに目を細める。

一日が終わってゆく。
陽が落ちる前に染まる空の、
その悲しさに涙を落とす。

なぜ、一番寂しいときに、
一番の美しさを振りまくのだろう。

美しい色には、
いつだって悲しみを含んでいるのかもしれない。
物事はすべからく、
終わりの前に抗いを見せるのかもしれない。

そうだとしたら、
空の赤は、紅葉の赤は、
痛みの色なのかもしれない。