ほおばれば 北香り立つ サロマ牡蠣

朝採れて、午後にはびゅんと東京に来て、
夜には私の心を感動で満たす。
おいしかった、ではとても言い表せない、
しんしんと沁みる味。

 牡蠣を好きになったのは、
母がいつか旅に連れて行ってくれたから。
貝殻を見ただけで顔を背けていた娘に、
人生の楽しみを、もう一つ教えてくれた。

一つ命をいただいて、
もう一つ豊かになる。