北颪 変わらざりける 色もあり

風が吹けば、さわさわと鳴る。
見上げれば、薄緑色をした天上のじゅうたん。 
季節が変われども、
姿を変えない場所がある。

世の中のものは、何が変わるのだろうか。
何を以て、変わったというのだろうか。 
景色? 色? 言葉? 表情?

たとえば「愛している」ということだって、
二人の間に時が流れて、
お互いを深く知り合ったら、
その形は同じではいられない。

そうやって考えてみると、
変わらないものを、私は知らない。
大地だって海だって、地球だって動く。 
毎年同じ白鳥が渡ってくるわけでもないはずだ。

でも、どういったらいいだろう。
私はあなたを一生愛していると思う。
形や深さや表現の仕方は変わっていくのだろうけれど、
「愛」という名のもとに表現される何かしらの感情を、
きっと持ち続けていくだろう。

時が移り過ぎても、
竹が竹であるように。
人が生きる限り、
「愛」が存在し続けてきたように。