厳寒の 地に繋がれて ひとつ星

住宅街の奥の奥に、
ぽつり。
寒くて寒くて必死で歩いて、
ふと顔を上げたら、
ぽつり。

今日ね、哀しいことがあったの。
あなたとけんか。
売り言葉に買い言葉で、
絶対口にしちゃいけないこと、
いっちゃった。

もうだめかな。
許してくれないかな。
だからけんかって嫌い。
誰だって、心の中だけで思ってることあるでしょう?
それが飛び出てきてしまう。

全てが止まってしまったようなあなたの顔、
私が謝る前に、きびすを返した。 

心の奥の奥にあるのは、
その芯を成しているのは、
あなたへの気遣いや愛情だよ。
そのことは伝わらないの?
ぽつり。
涙が落ちる。