水際の 彩りもまた 凍りけり

どんなに美しいことをいったのか、
もう忘れてしまった。
最後の瞬間を恐れつつも、
来るなら早くといつの間にか思っていた。

別れを決意する、なんてことじゃなくて、
そのうちあなたとは離れるのだろうと、
いつの頃からか予感していた。
そのきっかけも覚えていない。

いつ、哀しみを捨て去ることができるのだろう。
そのことは 今も分からない。

最後にあなたと交わした杯。
最後にあなたと見た景色。
最後にあなたとした会話。
覚えているようで、どれも定かじゃない。