夏の夕 君を捜すも すれ違い

この雑踏のどこかにいるはず。
スマホにiPad、
現代の技術の持てる力を全部駆使して、
本気であなたを捜す。

伝えたいことがあるの、なんて、
陳腐な言葉か、もしくは嘘をついてでも、
とにかくあなたを掴まえたい。
右にも左にも斜めにも目を馳せる。

どこにいるの。
今会いたいんだってば。

前から来るカップルの、
愛おしそうに握り合う手を目にして、
あなたと繋がれるなら暑さも暑くないと、
そう感じている自分を認める。